仕掛け編(8)


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今週はリクエストの多かった、ヤナギを巻いてみましょう。写真はクリックすると拡大します。

ここ数年かなり話題になっており、昨年のアユ専門誌にも「ヤナギ・チラシ特集」があったほどです。また、先日の国際つり博の際も、ヤナギの作り方のポイントなど、たくさんの質問を頂きました。

まずは基本の、ヤナギとチラシの区別からお話しましょう。ヤナギは2本の針が下を向いており、秋川でよく使われています。ヤナギの枝のように下に垂れ下がるので、このように呼びます。チラシは、上下に針先の向きを散らしているので、チラシと言います。一般的にヤナギは、秋川などのチャラやトロの多い中小河川で使われることが多く、チラシは、大河川・激流で使われることが多いようです。

ヤナギを使用するメリット等は、また別の機会に紹介するとして、さっそくヤナギ針を結んでみましょう。

材料

  フジノナイロン パワークロス(組糸)、丸耳ハリ(ヤナギ用)[写真:イカリ材料]

作り方
  1. ハリスを左手の親指と人差し指で挟みます。[写真:イカリ1]
  2. 針の軸をハリスの下に合わせ、フトコロ部分を持ちます。[写真:イカリ2]
  3. ハリスを1回転させ、先端をチモトから少し出します。[写真:イカリ3]
  4. 左手の親指と人差指で輪になったハリスを持ち、チモト側から軸とハリスを4、5回巻きます。[写真:イカリ4]
  5. ハリスを右側(チモト方向)に引いて、絞めます。[写真:イカリ5]
  6. 元バリも同じように巻き出来上がりです。[写真:イカリ6][写真:イカリ7]

以上のように、ヤナギ針はとても簡単に作れます。慣れると、1分で1本作ることも十分可能なので、練習してみてください。

ポイント解説
  1. パーマに注意

    引いて絞めたハリスが、パーマになりやすいので注意しましょう。フジノナイロンの4本組糸「パワークロス」なら、パーマになることはありません。なぜパーマにならないのかは、私もよく分りませんが、とにかく試してください。もともとハナカン周りの糸だったのですが、しなやかさと強さ、そしてカラミの良さが受けて、ハリスとして購入する人が多いみたいですね。

  2. 針について

    針は丸耳の付いた矢島系で、軽めのものを使います。大きさは、イカリを使う時の基準より、ワンランク大きいものを使用しましょう。つまり、イカリで7号を使うならば、ヤナギなら7.5号を使うという感じです。さらに、元バリと先バリを違う大きさにしたり、違う銘柄のハリを先バリにしたりと、工夫を重ねて、研究してみるのも面白いでしょう。

  3. ハリス

    ハリスはしなやかなハリスがベストです。針の向きが一方向なので、野鮎と接触した時に、いかに針立ちをさせるかが大きなポイントになり、そのために柔らかく、しなやかなハリスを使います。しなやかなハリスであれば、針の向きと違う場所に接触したとしても、ハリスが絡むことにより、針先の向きが対象物(野鮎)を捕らえて、そのままグサッと刺さることになります。よって、しなやかでパーマにならないパワークロスは、最高のハリスになりますね。

  4. 巻く回数

    イカリと違い、軸いっぱいに巻くことはありません。せいぜい5回がいいところです。「そんなに少なくて平気?」「軸いっぱいに巻くんじゃないの?」と、よく質問されますが、激流ガンガン瀬用はともかく、チャラ瀬やトロ場なら5回程度で十分です。逆に、それ以上巻くと掛かりが悪くなります。なぜかというと、軸いっぱいに巻いてしまうと、掛かる角度の範囲が狭くなってしまうからです。

    通常、針先に対して直角に接触した場合は、間違いなく刺さります。しかし、この角度が針と水平に近くなればなるほど、針立ちの確率は低くなります。軸いっぱいに巻いてある場合は、針と水平に接触した場合、接触と同時に針も逃げてしまうため針立ちがなく、掛からなくなります。ところが、回数を少なく巻いた場合は、針がハリスにすべて固定されているわけではないので、ハリスとは関係なく針先の向きが変わり、仮に水平に接触したとしても、ただちに針先がクルッと立つため、掛かる確率が高くなるのです。

    「ヤナギだと一発で掛かる」「前アタリがなく、突然ガーンと掛かった」という言葉を良く耳にしますが、ヤナギによるこれらの現象は、しなやかなハリスで巻く回数を少なくした効果によるものです。


<本日の雑談>
犬の散歩がてら、小和田グラウンドから下流の高尾橋まで、川を見てきました。川鵜の被害と思われる、ハヤやウグイの固体数の少なさは相変わらずですが、川鵜対策で竹を丸ごと沈めていた淵や、エグレなど逃げ込むところがある場所は、ウグイが確認できました。漁協関係者の苦肉の策で、貴重な在来種である、ハヤやウグイなどが保護されたことに感謝します。

川の流れも石の色も、渓流が解禁になった今月から、急に輝きだしたように思えます。あと3ヶ月。夏場になればもっと水量が増し、現在の川からは想像もできないような、良い川に変貌するでしょう。

皆さんも機会があれば、冬枯れの減水した川を見てみてはいかがでしょうか?実際の川底の感じを目の前で見ると、「この石の裏側は砂があるからポイントにはならない」とか、逆に「いい石がびっしり詰まっているから、石裏のベストポイントだ」などと想像力が膨らみ、解禁に向けて楽しみが増えますよ。

ヤナギ材料

ヤナギ1

ヤナギ2

ヤナギ3

ヤナギ4

ヤナギ5

ヤナギ6

ヤナギ7


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