実技編(4)深い瀬での釣り方


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(写真はクリックすると拡大します)

2.深い瀬

今回は比較的深い瀬の釣り方がテーマです。読者の皆さんは、私のペンネームが「秋川チャラ之助」なので、「秋川みたいなチャラ瀬の多い川で、静かに釣るのが好きなんだろうな」とお思いになられていると思います。

確かに、地元の秋川は好きで、チャラも好きですが、本当に好きなのは、深く押しの強い瀬で、腰まで入って釣るのが大好きなのです。特に天竜川の松川から飯田にかけては好きで、以前からよく行っています。

そして天竜川のような激流でも、基本は泳がせ釣りで釣ります。大オモリをかました引き釣りも、場合によってはしますが、あくまでも、釣りの一つのパターンとして、泳がせで釣れなくなった時に変化を持たせる意味で行います。

天竜川に限らず、どんな川でも場所によっては深瀬のポイントがあります。深瀬には大体大きな石がぎっしりと詰まっており、型の良いアユが縄張りを持っております。このようなポイントは、太糸でオモリをかませて引き釣りをしても釣れますが、私はまず、一番元気なオトリで、ターボVの0.1号程度の水中糸を付けて、脇の少しゆるめの所から上流に泳がせます。

徐々に流心に入り、黒々とした石の周りで「ドカーン」と掛かります。深い瀬の中で、しかも上流に泳いで掛かった2匹のアユは、掛かった直後はヒラヒラともがいていますが、すぐに流れに乗って一気に下流へ下ります。

竿を満月にしならせ、深瀬の中で育った筋骨隆々の野鮎を吊るしこんでタモに入れると、何とも言えない充実感でいっぱいになります。昨年のシーズン終了間際の狩野川での釣りが、ちょうどこんな感じでした。秘密兵器で良型ゲットをご覧ください。

<深い瀬を釣る時のポイント>
  1. オトリは元気のいい、野アユが一番良い(当然か・・・)
  2. 水圧が強いと、仕掛への負担も多いことから、太め(ターボVであれは0.1号以上)とする
  3. ハリは通常より大き目にする(小さいハリだと、バレ・肉切れの原因となります)
  4. 根掛りして、オトリが回収困難と思われたら、迷わず糸を引いて切ってください

また、深い場所に立ちこんでいる時や、根掛り回収中にタモを流したり、ベストの中の貴重品を流したりすることが良くありますので、気をつけてください。

<オトリが泳がないよ、という場合>
  1. オモリを付けましょう。水量と流れにもよりますが、2号から5号までのオモリを鼻上30cm位に付けます。オモリは糸に傷を付けないように「ゴム張り」製がベストです
  2. オトリを流れの中に沈め、オモリの重さで底に落ち着かせます。落ち着かず流されるようであれば、さらに重いオモリを付けましょう。
  3. そして、少しずつ上流に引き上げるようにポイントをズラします。この時、竿を寝かせたまま上流に引くと、オモリが石に噛んでしまい根掛りとなりますので、オトリを一旦水面に引き上げるイメージで、上流に移動させます
  4. 竿は硬めが良い。柔らかいとオモリの重量と水圧だけでグニャと曲がった状態となり、オトリ操作が困難となります
  5. 掛ると、「ガツーン、ガガガガガー」と、どう表現してよいか分からない感触が、直接手に伝わってきます。これを味わったら、間違いなくアユ釣りの泥沼にハマってしまうでしょう。泳がせも面白いが、やっぱり友釣りの醍醐味は引き釣りかもね

(本日の雑談)
私はいつも、この原稿を土曜か日曜の午前中に書くことにしています。そして、テーマ以外の面白い話題、何かないかな・・・という時は、とりあえず川に行ってみるようにしています。

いつもは小和田のグラウンドですが、5月15日に小和田グラウンドから秋川橋を見に行ったところ、ハミ跡も無ければ、アユの姿も全然見えないという状態で、ショックを受けましたので、今日16日は少し下流・館谷地区のナカトギ付近に行ってみました。[写真:ナカトギの流れ出し]

錦江閣(キンコウカク)またはナカトギ付近の石は、ピカピカ磨かれて真っ黒になっており、小和田グラウンド周辺とまったく違います。ただ、まだ縄張りを作っておらず、群れで移動をしているようで、石をはんでいる姿は確認できませんでした。そして、ナカトギの流れ出しから瀬になります。[写真:ナカトギ下流の瀬]この瀬がすばらしく、解禁日に陣取ればいい釣りができるでしょう。

そして、偶然にも稚アユの放流に遭遇できました。[写真:海産放流1〜4]駿河湾で獲れた静岡産の稚アユ(10cm前後)を、トラックからバケツでナカトギの淵に放流です。バケツから川に放たれた海産アユは、いっせいに上流目指し、溯上を開始しました。

とても質の良い稚アユらしく、放流場所にウロウロしているアユはいません。その後、小和田グラウンドに場所を移し、今度はトラックから直接ホースを使い、残りすべてを放流しました。[写真:海産放流5]

ここでも、ホースから飛び出た稚アユは上流を目指します。アユの習性なのだろうけど、1匹も下流へ泳ぐものはいませんでした。

夕方、秋川橋の上流に様子を見に行きました。秋川橋付近からナカトギまでは放流しておりませんが、秋川橋の上流河川公園の岸寄りの浅いところに、本日放流した10cmほどの稚アユが100匹程群れて、アカを食んでおりました。放流場所から距離にして500m。秋川橋下流には堰もあるので、それを越えて到達した元気アユでしょう。

来月13日の解禁日まで約一ヶ月。これから解禁まで、適度の雨と照りこみで野生味を増し、さらに成長して我々釣り人を楽しませてくれることでしょう。



ナカトギの流れ出し

ナカトギ下流の瀬

海産放流1

海産放流2

海産放流3

海産放流4

海産放流5


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