さて、今回は編み込みでハイテク極細水中糸を作ってみましょう(水中糸全体図参照)。
ターボVなどハイテクラインには、この編み込みでナイロン糸を接続するのが、最高の結束方法です。0.03号という驚異的な髪の毛より細いラインも、編み込みをしっかりとすれば、0.03号ということを意識せずに使うことができます。
私はアユ釣りの他、最近では渓流でもターボVを使った仕掛けを使用しており、細糸による水流抵抗の低減、沈みの速さ、アタリのとりやすさなどにより、数々の恩恵を授かっております。
また、編み込みは天上糸の移動部分の編み込み、ハナカンの移動部分の編み込みと、アユ釣りにとって無くてはならない、必須の仕掛け作りの技術といえます。何度か練習すれば必ずできますので、あきらめずに練習してください。
<材料>
編み込み器、フジノナイロンターボV(ハイテクライン)、ターボMX(ナイロン糸)、目印。詳しくは連載の仕掛け編1をご覧ください。
まず、水中糸(ターボV)の下部分に、付け糸(ナイロン糸)を編み込みで接続しましょう。
- ターボVはスプールから30cmほど出し、編みつけ器にセットします。付け糸(ナイロン)を50cmカットし、[写真:編み込み1]のようにターボVの上に乗せ、右側に12〜13cm出します(ターボVは3m使用しますが、一度に全部目の前に出さないように、あくまでも、編み込みをする部分だけをスプールから出しましょう。私はあらかじめ、3mづつカットして別の空スプールに巻いておきます)
- 付け糸の左右を持ち、ターボVの下で右手側を手前にクロスさせ、右で持っていた付け糸を左手の中指と薬指ではさんで押えます[写真:編み込み2][写真:編み込み3]。編み込み始めに結び目は作りません。最初に結ぶと、そこが切れやすくなりトラブルの原因になります。一部雑誌等で「最初に結ぶ」と誤った紹介をされ、その方法で作った人から「掛かった時に切れた」と相談されたことがあります。先日の「つり博」でも、同様な相談を受けましたのでその都度「最初に結ばないで・・・」と説明をいたしました。
- 空いた右手で左手の親指と人差し指ではさんでいた、付け糸を持ちます。
- 糸を張ったまま上に持っていき、右手で持っている付け糸を左手の親指と人差し指で持ちます[写真:編み込み4]。この時、右手側には付け糸の長い方がありますので、左手側に渡すと同時に、付け糸をすべて、左側に移動しましょう。糸さばきが良くなります。
- 空いた右手で左手の中指と薬指で持っている付け糸を持ちます[写真:編み込み5]
- ここまで、2〜5までが1回の編み込みです。これを20回以上隙間を空けずに、きっちりと編み込みします
- 編み込みの最後の部分を左手薬指で押え、2本の付け糸を上軽く結びます[写真:編み込み6]
- 2本の付け糸を合せて、一緒に結び、結び目を付け根に持っていきます[写真:編み込み7][写真:編み込み8]
- 目印を5cmほどカットして、4個用意します。色は好みの色でOK
- 編み込みの要領で2回編み込み、軽く1回結ぶ。好きな大きさにカットします
- 編み込み器のレバーをはずし、余分なラインをカットし出来上がり。編み込みをきっちりすると、瞬間接着剤を付けなくてもOKです。付ける場合は、編み込み部分にほんの少し滴らしましょう
次に、天上糸側に接続する、付け糸(ナイロン糸)を編み込みします。
- 今、編み込みだ部分から、別の空きスプールにターボVを3m巻き取ります。あらかじめ、その空きスプールは何回巻いたら3mか、と数えておきその回数分巻き取ります
- 3m分巻き取ったスプールから、30cmほどターボVを出し、手前から編み込み器にセットします。
- 付け糸にするナイロン糸(0.4〜0.6号)の先端を15cm折り返し、8の字結びでチチワを作り、中心でカットします[写真:天井糸編み込み1]、[写真:天井糸編み込み2]
- カットした中心を、セットしたターボVに編み込み開始[写真:天井糸編み込み3]
- 水中糸側と同様に、20回以上編み込みます[写真:天井糸編み込み4][写真:天井糸編み込み5]
- 余分な糸をカットし、付け糸を1.2m(スプールに10回位)巻き取り、チチワを作って出来上がり[写真:天井糸編み込み6]
では、もう一度ポイントを整理することにします。
- ターボVはあらかじめ3mづつ、別のスプールに巻いておくと作業がやりやすい。
- 市販の編み込み器は、糸を挟むところが硬く、糸を傷めることがあるので、ゴムなどを貼り付けて、傷めないような工夫をすると良い
- 編み込みは、即開始。(最初に結ばない)
- 右手と左手の役割分担を決め、指に覚え込ませる
- きっちりと、隙間を空けず、20回以上編み込む
- 目印はとりあえず一番下の部分に付けておくので、移動する場合は親指と人差し指の腹で軽く押えて、ゆっくりとやさしく移動する
- ハイテクラインや金属糸はヨレに弱いので、スプールに巻き取る場合は一本に伸ばしてカットしてある状態のラインを巻き取ると、ヨレることがありません
極細ラインは素材が丈夫になったとはいえ、やさしく、ていねいに扱ってください。仕掛けを付けたまま竿を草むらに寝かせるなどは、できればやめた方がいいですね。休憩等する場合は、専用の竿立てに置くか、仕掛けを巻き取って仕舞う方がいいでしょう。
そろそろ、河口の稚アユが溯上を開始する時期ですね。今年はどうかな・・・と、各地の溯上状況が気になりますので、情報をお持ちの方はぜひメールで教えてください。お礼に私が作った、ご希望の仕掛けを差し上げますよ。
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編み込み1
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