仕掛け編(5)


スポンサードリンク

さて、今回はパワークロス(ナイロン組糸)で移動式のハナカン周り仕掛けを作ってみましょう。[ハナカン周り全体図]



ハナカン周りの仕掛けはとても重要です。なにしろ、掛かった時に一番衝撃が大きく、負担のかかるのがこのハナカン周りだからです。

強度が不十分な材料だったり、作り方が悪かったりして、掛かった瞬間に切れてしまうと、こんな悔しいことはありません。かといって、あまりにもゴツい仕掛けだと、オトリに負担がかかり過ぎて、自然な泳ぎができなくなり、弱りも早くなって、結果的に釣果が落ちることになります。

掛かった時の瞬間的な衝撃にも強く、そして1日中釣っていてもへこたれない耐久性。そんな理想的なハナカン周り糸がパワークロスです。

そして、ハナカンからサカバリまでの長さが重要です。短くて張っているようだと、絶えずオトリがイヤイヤをした状態となり、釣果は望めません。また、逆に長すぎても、掛けバリに絡んだりしてオトリの邪魔になり、満足いく釣果は得られないでしょう。

これらの問題を解決するため、移動式のハナカン周りが考案され、現在は多くの鮎師に愛用されております。編み込みで、移動式にすることにより、どんなサイズの鮎にも、適切な長さでサカバリを打つことが可能となるためです。そして、移動式にするためには、前回の「編み込み」がここで応用として使われますので、思い出してください。

バリエーションとして、ハナカン部分を移動式にする方法と、サカバリ部分を移動式にする方法がありますが、ここではハナカン部分を移動式に作ってみましょう。

オトリを交換するたびにハナカンを移動し長さを調整するため、ハナカン周りの糸は単線(普通のナイロン1本糸)だと縮れや痛みがひどく、不快な気持ちになってしまいます。そこで私は、縮れが出ない糸、傷まない糸であるフジノナイロンのパワークロス(ナイロン4本組糸)を使っており、一日中快適な気分で釣りをしています。





【材料】

パワークロス・ハナカン周り糸、ハナカン編み込み用糸、根巻き糸、ワンタッチハナカン、サカバリ一体型ハリス止め[写真:ハナカン周り材料](写真はクリックすると拡大します)

(1) ハナカンに編み込み糸を付ける
  1. 編み込み糸を50cmカットし、半分に折る[写真:ハナカン周り1]
  2. それをまた半分にして、中心にハナカンを結ぶ[写真:ハナカン周り2]
  3. 左右から1回ずつ、ハーフヒッチで結ぶ(この結び方をしっかりすると、瞬間接着剤を付けなくても大丈夫。でも、不安な人は遠慮なくアロンアルファを付けましょう)[写真:ハナカン周り3][写真:ハナカン周り4]
  4. ハナカン編み込み糸を半分にして、左右からヨリを加え、1つにまとめる[写真:ハナカン周り5][写真:ハナカン周り6]
  5. ハナカン上1cm上で、8の字結びで結ぶ(ハナカン上の間隔が短すぎると、掛かった瞬間ワンタッチハナカンが外れる恐れがあります)[写真:ハナカン周り7][写真:ハナカン周り8]

(2) ハナカン移動式の編み込み
  1. 編み込み器にパワークロスを張る
  2. (1)で作ったハナカン部分に、結んだ編み込み糸の中心を少しずらして、手前から編み込み開始[写真:ハナカン編み込み1][写真:ハナカン編み込み2]
  3. 2回目の編み込みで、中心を編み込むようにする[写真:ハナカン編み込み3]
  4. 中心をすぎて、2回軽く編み込んで軽く結ぶ[写真:ハナカン編み込み4]
  5. 編み込み糸を1本に束ねて、結ぶ(組糸の場合編み込み回数が多いと、移動がきつくなるので前後2回ずつか、それ以下でもよい)[写真:ハナカン編み込み5][写真:ハナカン編み込み6]

(3) サカバリ部分を付ける[写真:ハナカン編み込み7]
  1. ハナカン部分を編み込んだ組糸の終端に、マルトのエンゼルフィン(サカバリハリス止め一体型)を左手の親指と人差し指で挟む
  2. 根巻糸でグルグル巻きにする
  3. ハーフヒッチで何回か止める
  4. アロンアルファを少したらして、出来上がり

ハナカン周りの仕掛けは水中糸と同じように消耗品ですので、少し多めに作っておき、トラブルなどが発生した場合は、すぐに交換できるようにしておきましょう。




















ハナカン周り材料

ハナカン周り1

ハナカン周り2

ハナカン周り3

ハナカン周り4

ハナカン周り5

ハナカン周り6

ハナカン周り7

ハナカン周り8

ハナカン編み込み1

ハナカン編み込み2

ハナカン編み込み3

ハナカン編み込み4

ハナカン編み込み5

ハナカン編み込み6

ハナカン編み込み7


戻る

スポンサードリンク