すい臓の病気;急性膵炎(すい炎)
すい臓が急に炎症が起こる病気を急性すい炎と呼びます。急性膵炎とは何か??急性膵炎の症状はお腹の上部のあたりに痛みが生じる病気です。すい臓に異常がおきて炎症が起きます。
痛みの原因は急に膵臓が壊れていくことにあります。すい臓部分が何もしていなくても痛みが生じるようになり、押されるだでもと激しい痛みが走ります。血液と尿中にすい臓の酵素がたくさん出てきます。そして、検査をすると血中アミラーゼ濃度や尿中アミラーゼ濃度が異常な数値を示します。重症になると、すい臓以外にも肺や腎臓、肝臓、心臓など全身の重要な臓器が冒され、全身にまで病気が広がっていくこともあります。急性膵炎が重症になってくると、死亡率が20%~30%となりますので、注意が必要です。
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なぜ急性膵炎が起きるのかというと、すい臓の自己消化が原因と考えられています。すい臓自体を消化してしまうことによって炎症を生じさせる引き金となります。すい臓から分泌する酵素の中には、タンパク質を分解する働きがあると紹介しました。
すい臓内では、タンパク質が分解され始めます。もちろん、すい臓には非常に多くのタンパク質が含まれていますので、臓器を破壊してしまうことになるのです。そのためもともと、すい臓の消化酵素の分解の働きは抑えられ非活性の状態になっています。これは防御因子とよばれる物質や小さなたんぱく分子がこの酵素に結合しており、非常に人間の体の精緻さがこの部分からもわかります。
そのために、すい臓内では非活性の状態になっているのですが、すい液が十二指腸に流れてしまうと、先ほど説明した防御因子やたんぱく分子の結合が離れることによって、たんぱく質の分解が活性化され、消化液として機能しはじめます。しかし、すい臓内で酵素が活性化されると、問題が生じ、異常が現れます。
原因に関しては明らかになっていない部分が多いのですが、科学的にはトリプシノーゲンが活性型のトリプシンに変わってしまうとタンパク質分解が膵臓内で生じ、ほかのたんぱく分解酵素を消化してしまいます。正常であれば、別々に分泌されるはずの酵素が腺房細胞というところで混じってしまうことなどもあり、いずれにしても膵臓の酵素が本来はたらいてはいけない膵臓内ではたらき出すことによって自己消化という現象がおきてしまうのです。
膵炎や急性膵炎はこのような時に起こり出します。なぜ急に膵臓内で自己消化が起きるのか原因は実はあまり解明されていません。しかし、急性膵炎では、非常に多くの消化酵素が活性化して膵臓自体を傷つけてしまいます。
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