波止場釣りで釣れる魚たち
波止場つりで釣れる魚たちを紹介していきたいと思います。波止場釣りが船釣りよりも劣ると考えている初心者の方がおられるかもしれませんが、そのような方には想像もつかないような大物が釣れることもあります。波止つりで釣れる大物は、1mを越えるスズキや50cmを超えるクロダイ(チヌ)なども釣れることがあります。中には60cmを超えるマダイを岸和田沖の一文字(防波堤)で釣りあげた猛者までいます。時には、サンマ、スルメイカ、マダイ、サワラなどの外洋性の魚も近年の水温の上昇で見られることもあります。
アイナメ
アイナメといえば、ぶ厚いクチビルとザラザラした肌が特徴です。テトラや岩礁帯の隙間などに住み着いており、エサが近づいてくるのをジーッと待っています。エサを捕食するとすばやく穴へ戻る習性がある(根魚の特徴)ため、掛けアワセたらすぐに抜き上げるようにしましょう。穴へ潜られてしまうと、いくら引っ張っても出てきません。ナツメ型のオモリを赤く塗った「ブラクリ」という仕掛けを使うと効果的です。アイナメとよく似た「クジメ」という魚もいます。
方 言:アイナ・アイメ・アブラメ・アブラコ・アブラウオ・ネウ・ヤスリ
釣れる時期:11月〜翌年4月
波止でのポイント:捨て石、岩礁帯、テトラポット付近
エ サ:青イソメ・岩イソメ・袋イソメ・シラサエビなど
仕掛け:ズボ釣り(穴釣り)・探り釣り
アコウ(アコウダイ)
関西方面では高級魚と呼ばれているアコウは夜行性の根魚で、白色の縞模様とダイダイ色の斑点が特徴です。根魚のシーズンは冬が中心となるのに対して、アコウは夏に最盛期を迎えます。この魚は針掛かりすれば、強烈なパワーで一気に根に潜ろうとします。そのため太仕掛けを使い、ヒットすれば強引に巻き上げることがコツです。また、過去に釣れたことのある、実績ポイントを狙うようにして下さい。ちなみに、アコウの食味は最高だということです。
方 言:キジハタ(正式名です)
釣れる時期:7月〜10月
波止でのポイント:捨て石、岩礁帯、テトラポット付近や波止の切れ目など
エ サ:シラサエビ・青イソメなど
仕掛け:ウキ釣り・探り釣り・ブッコミ釣り
難易度:釣りにくい(近年はその数が非常に少なくなってきています)
アジ
波止で釣れるアジは2種類。ひとつは「マアジ」と呼ばれ、赤っぽい色をしています。もうひとつは「マルアジ」と呼ばれ、青っぽい色をしています。アジは尾ビレ寄りの側線に、ゼンゴと呼ばれる硬いウロコがあります。尾ビレ側から逆なですると痛いので気を付けて下さい。また、クチビルが薄い魚ですので、掛かった時はゆっくりと巻き上げるようにして下さい。アジは下層を泳いでいるため、底付近を狙うようにして下さい。
方 言:
マアジ…アカアジ・ガツン・ゼンゴ・トッパ・ヒヨッコ
マルアジ…オアジ・ムロウルメ・マムロ
釣れる時期:7月〜11月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁など
エ サ:アミエビ・オキアミ・シラス
仕掛け:サビキ釣り・ノベ竿(ガイド穴のない竿)を使ったウキ釣り
イワシ
波止で釣れるイワシは、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類。ちなみに、カタクチイワシの稚魚がシラスと呼ばれているものです。イワシは海に湧くくらい大量に生まれますが、そのほとんどが鳥や魚のエサとなる運命にあります。アジとは対称的に上層を泳いでいるため、鳥にも狙われやすいのです。アジと同様に、掛かればゆっくりと巻き上げるようにして下さい。また、素手でつかむと手がウロコだらけになりますよ!
方 言:
マイワシ…ヒラゴ・ヒラゴイワシ・ヒラデ・ヤシ
ウルメイワシ…ウルメ・テッポウ・ドンボ・メグロ
カタクチイワシ…シコ・セグロ・タレクチ・ヒシコ
釣れる時期:4月〜11月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁など
エサ:アミエビ・シラス
仕掛け:サビキ釣り
ウミタナゴ
波が穏やかで、海草が多く茂った岩場に生息しています。ふつうの魚は卵を産みますが、この魚は胎生魚といって3〜5センチほどの子供を産みます。また、口が小さいので、小型の針を使うようにして下さい。4月〜5月には子持ちの大型(25センチ級)が釣れます。
方 言:タナゴ・キンタナゴ・コモチダイ
釣れる時期:11月〜翌年5月
波止でのポイント:波の穏やかな岩礁帯や捨て石、テトラポット周りなど
エ サ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ・シラサエビ
仕掛け:ウキ釣り
カサゴ
根魚の代表格として日本全国に生息し、アイナメ同様、岩穴を棲み家としています。ひとつのポイントを集中して狙うよりも、テトラポットの穴や捨て石周りを丹念に探り歩いていくことが釣果をのばすコツです。また、根ガカリするようなポイントでないと釣果は期待できません。煮付けにすれば、おいしい魚です。
方 言:ガシラ・アラカブ・カラコ・ハチメ・マホゴ
釣れる時期:ほぼ年中(水温の下がる12月〜2月はよく釣れます)
波止でのポイント:捨て石、岩礁帯、テトラポット付近
エ サ:シラサエビ・オキアミ・青イソメ・魚の切り身など
仕掛け:ズボ釣り(穴釣り)・探り釣り
カマス
カマスは、アジ、キビナゴ、イワシなどの小魚を常食とするフイッシュイーター(魚食魚)です。小型でスマートな容姿に似合わず、とてもどう猛な魚で、比較的大きな群れで回遊しています。
波止や船から釣れるカマスは、アカカマスとヤマトカマスの2種類で、サイズは20〜25センチクラスのものです。ちなみに、南方海域に生息するオニカマスは、「バラクーダ」と呼ばれていて、体長は1メートル以上にもなります(もちろん波止では釣れません)。
方言:
アカカマス・・ホンカマス・アカカマサ・アカハダカマス
ヤマトカマス・・ミズカマス・アオカマス・イソカマス
釣れる時期:6月〜9月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁・テトラポット付近など
エ サ:キビナゴ(ウキ釣り)
仕掛け:ウキ釣り・ルアー釣り
カワハギ
カワハギは、口の後ろから包丁を入れ、切り口の皮をつまんで引っ張ると、簡単に皮がはがれます。このことが名前の由来になったと言われています。また、波止ではカワハギの仲間である「ウマズラハギ(顔が長い)」もよく釣れます。この魚は、海中でヘリコプターのように上下移動しながら、エサを突っつきに来ます。また、かなりのおちょぼ口で、「エサ取り名人」といわれているため、イカリ針(ギャング釣り)で引っ掛けた方が確実に釣れるでしょう。波止で釣れるサイズは、15〜20センチクラスです。カワハギのキモ(肝臓)は、特に美味なことでも有名です。
方 言:
カワムキ・ハギ・ハゲ・マルハゲ・ギッパ・スブタ・コオグリ
釣れる時期:7月〜11月
波止でのポイント:波止際や岩礁帯付近
エサ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ・オキアミなど
仕掛け:探り釣り(胴つき釣り)、ギャング釣り(ハゲ掛け、ギャング針使用)
難易度:釣りにくい(針に掛かりにくい、と言った方がよいかもしれません)
クロダイ
クロダイは、磯釣り師の間でも人気の高い魚です。警戒心が非常強く、悪食家で、時には人家から出る残飯やスイカ、ミカンまで食べることもあるそうです。不思議なことに、幼魚時代はすべてがオスで、25センチくらいに成長するとメスへ性転換することもあります(そのままオスでいるクロダイもいます)。
クロダイ釣りは、地域により「独特かつ、こだわりの釣り方」が数多くあり、その奥の深さが多くのファンをとりこにしています。波止で釣れる平均サイズは、30〜40センチ。まれに、50センチを超える大型も釣れます(最近は、60センチオーバーの超大物も現実に釣れています)。
比較的波気があり、潮が濁っている時が好条件といえます。ちなみにクロダイに似た、「キビレ」と呼ばれる魚は、汽水域に多く生息し、腹ビレ、尻ビレ、尾ビレが黄色く染まっているのが特徴です。
方 言:チヌ・チン・クロチヌ・マナジ・カワダイ
釣れる時期:4月〜10月(大阪湾では厳寒期を除き、ほぼ年中釣れます)
波止でのポイント:波止際・テトラポット付近
エサ:オキアミ・エビ、カニ類・貝類・環虫類など、非常に雑食
仕掛け:落とし込み釣り・ウキ釣り・コスリ釣り・ブッコミ釣り
コノシロ
幼魚である「コハダ」は、寿司ネタとして人気があるようですが、10センチを超え「コノシロ」と呼ばれるようになると、食味が劣るため、持ち帰って食べる人は少ないようです。コノシロは群れで行動し、港の奥や汽水域(海水と真水の混じった区域)にも回遊してきます。コノシロに似た、「サッパ」という魚もいます。
方 言:コハダ(コノシロの幼魚)・ツナシ・ベットウ・モゴ・ヨナ
釣れる時期:3月〜7月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁など
エ サ:アミエビ
仕掛け:サビキ釣り
サバ
サバは、イワシ同様に比較的浅いタナ(上層)を回遊しています。堤防からのサビキ釣りでも簡単に釣れ、数匹同時に掛かれば強烈な引きが味わえるので、子供たちも大喜びです。しかし、掛かると左右に暴れまくるため、隣の釣り人とのオマツリには充分注意して下さい。
「サバの生き腐れ」ということわざもあるくらい、鮮度が落ちやすく、非常に腐りやすい魚です。釣ったサバは、エラと胸ビレの間にナイフを入れ、海水の入ったバケツに5分ほどつけておきます。(血抜き)。その後、海水と氷の入った別のクーラーに移し替えておけば、家に帰るまで鮮度は維持できます。また、脂の乗りきった秋サバは最高です。「秋サバは嫁に食わすな」という格言もあるくらいです。
方 言:ヒラサバ・ホンサバ
釣れる時期:6月〜11月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁など
エ サ:アミエビ
仕掛け:サビキ釣り
サヨリ
サヨリは、スマートで透き通った体をしていて、そのスタイルから「お嬢様」と呼ばれることもあるそうです。また、下アゴが長く突き出し、その先端が口紅を塗ったように赤く染まっているのが特徴です。
この魚は、水面下30センチほどの非常に浅いタナ(泳層)を泳いでいます。海が穏やかで、潮が澄んでいる日はよく釣れますが、荒れている日は条件的に苦しいでしょう。繊細な仕掛けで狙うようにし、アタリがあっても大きくアワセる必要はありません。最近では、サヨリ専用の仕掛けも販売されています。刺し身や干物にして食べたら、うまいと思います。
方 言:クチナガ・ショウブ・スズ・ハリウオ・ヤマキリ
釣れる時期:9月〜翌年3月
波止でのポイント:波の静かな小磯周りや港内の岸壁など
エ サ:アミエビ・オキアミ・ハンペン
仕掛け:ウキ釣り
シマダイ
イシダイ(磯の王者)の幼魚であり、夏〜秋にかけて波止際へと寄り付いてきます。その後、深場の磯へと移動し、イシダイと呼ばれるサイズへ成長していきます。シマダイは口が小さいが、頑丈な歯をしているため、小型でも軸の太い針(伊勢尼針やチヌ針など)を使った方が良いでしょう。波止で釣れるサイズは10〜20センチクラスですが、さすがに磯の王者の子供だけあって、その引きは強烈です。
方 言:サンバソウ
釣れる時期:8月〜10月
波止でのポイント:岩礁帯・波止際・テトラポット付近
エ サ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ・オキアミ・シラサエビなど
仕掛け:ズボ釣り(サビキ釣りにも掛かることがあります。)
難易度:比較的釣りやすい(成魚のイシダイは幻の魚と呼ばれていて、なかなか釣れません)
スズキ
スズキは、アジやイワシなどの小魚を捕食する代表的なフイッシュイーターです。40センチまでのものをセイゴ、40〜60センチまでのものをフッコ(ハネ)、60センチ以上のものをスズキと、成長するにしたがって呼び名が変わっていきます(このような魚を「出世魚」と呼んでいます)。
スズキは、淡水の「ブラックバス」と並び、ルアーの対象魚(「シーバス」と呼んでいます)として、また、関西方面では、「エビ撒き釣り」の対象魚として、非常に人気の高い魚です。針ガカリした後には、豪快な「エラ洗い」(水面でジャンプをして、針を外そうとする動作)を演出し、スリリングな駆け引きが味わえます。都心の港湾付近に多く生息している魚です。
方 言:マルタ・オオタロウ・ススキ・ユウド
釣れる時期:厳寒期を除くほぼ年中(4月〜6月と11月〜12月は大型が釣れます)
波止でのポイント:港の岸壁やテトラポット付近
エ サ:シラサエビ・青イソメ・アジ・イワシ
仕掛け:ウキ釣り(エビ撒き釣り)・ズボ釣り・ブッコミ釣り・ノマセ釣り・ルアー釣り
ソイ
ソイは北方系の魚で、比較的水温の低い地域に多く生息しています。波止では、あまりなじみのない魚ですが、一言でいえば、「カサゴ」を黒くして、いかつくしたような感じです。また、最大30センチ程度までにしか成長しないカサゴに対し、同じ仲間であってもソイは50センチ位にまで成長します。根魚であるソイは、夜行性の魚でもあります。
方 言:タケノコメバル・キツネメバル・ハチメ
釣れる時期:4月〜12月
波止でのポイント:テトラポット付近・岩礁帯・捨て石周り
エ サ:シラサエビ・イソメ類
仕掛け:探り釣り・ウキ釣り
難易度:どちらかといえば釣りにくい(北海道や東北地方では、比較的釣りやすいと思います。)
タチウオ
夜行性のフイッシュイーターで、顔を見ても分かるとおり、大変どう猛な魚です。立って泳いでいることから、「タチウオ」と名づけられたという説もあります。釣りたての姿は実に鮮やかで、鏡のようなその表皮はマニキュアや真珠の材料にもなります。
シーバス同様、ソルトウォーターフィッシング(海のルアー釣り)の対象魚でもあり、10月〜11月、北寄りの風が吹くようになると一気に大型(70〜90センチ級)が接岸してきます。また、タチウオの歯は非常に鋭いため、針を外す時はペンチなどを使うようにして下さい(噛まれれば、ケガをしますので)。
方 言:タチ・タチイオ・タチオ・タチノウオ・ハクナギ
釣れる時期:7月〜12月
波止でのポイント:比較的水深のある港の岸壁など
エ サ:アジ・イワシ・キビナゴ・ドジョウ
仕掛け:ウキ釣り・引き釣り(タチウオテンヤ使用)
ハゼ
愛きょうのある顔をしたハゼは、アジ・サバ・イワシ同様、子供でも簡単に釣れる入門者向きの対象魚です。ハゼは、海の波止というより、河川(汽水域)の護岸が釣り場となります。砂底や泥底に住んでいる魚ですので、ウキ釣りの場合は、エサが底スレスレにくるようにタナを調整して下さい。皆さんがよくご存知の「ムツゴロウ」もハゼの仲間です。九州の有明海に生息しています。
方 言:カジカ・フユハゼ・グズ
釣れる時期:8月〜11月
波止でのポイント:河口に近い堤防や河川の護岸
エ サ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ・ミミズ
仕掛け:ノベ竿を使ったウキ釣り・投げ釣り
難易度:非常に釣りやすい(ファミリーフイッシング・子供向き)
メジナ
磯釣りでは非常に人気のある魚ですが、堤防で釣れるメジナのほとんどは、30センチまでの「木っ葉」と呼ばれるサイズです。潮の澄んだ日には、群れで泳いでいる姿がよく見え、頻繁にマキエをすれば、かなり上層まで浮いてくる魚です。小型でもよく引き、小気味よい手応えを感じさせてくれます。
方 言:グレ・クロ・クロヤ・クロイオ・チカイ・ヒレ
釣れる時期:6月〜12月
波止でのポイント:岩礁帯・波止際・テトラポット付近
エ サ:オキアミ・石ゴカイ(ジャリメ)・シラサエビ
仕掛け:ウキ釣り(サビキ釣りに掛かることもあります)
メバル
波止釣りの対象魚として人気の高いメバルは、たいへん目のいい魚です。細いハリスを使うことが釣果をあげるコツです。波止で釣れるメバルのほとんどが、「クロメバル」と呼ばれているもので、黒っぽい体色をしています。
日中は、海底の岩陰や捨て石の隙間に身を潜めていますが、夜になるとエサを求めて上層へと浮いてきます。「メバル凪」という言葉があるように、波のない日が狙い目です(ただし、潮がよく動く日でないとあまり釣れません)。
方 言:ツヅノメ・テンコ・ウキソ
釣れる時期:11月〜翌年4月
波止でのポイント:捨て石・岩礁帯・テトラポット・波止の切れ目付近
エ サ:シラサエビ・ブツエビ・青イソメ
仕掛け:ウキ釣り・探り釣り・ズボ釣り(穴釣り)
ワカシ・イナダ
この魚も、スズキ同様、ワカシ(ツバス)→イナダ(ハマチ)→ワラサ(メジロ)→ブリと、成長するごとに呼び名が変わる出世魚です。カッコ内は関西方面での呼び名です。船釣りで狙う場合が多いようですが、秋になれば港の周辺にまで回遊してきますので、波止からでも充分に釣るチャンスはあります。
活きたアジやイワシを使ったノマセ釣り、もしくは、オキアミを使ったカゴ釣りなどで狙いますが、アタリ、ハズレのムラが大きい魚ですので、根気よくトライして下さい。また、最近では、ルアーで狙う釣り人も増えています。波止から釣れるサイズは、40センチまでの「ワカシ」「イナダ」と呼ばれるものがほとんどです。掛かれば一気に突っ走るため、興奮することまちがいなしです。
方 言:アオ・アオイオ・シロバラ・マルゴ・バチ・ワカナ
釣れる時期:11月〜4月
波止でのポイント:波止の先端付近や一文字波止など潮通しの良い場所
エ サ:アジ・イワシ・オキアミ
仕掛け:ノマセ釣り・カゴ釣り・ルアー釣り
難易度:釣りにくい(朝、夕の一瞬の時合い[回遊の瞬間]を逃さないこと)
カレイ
カレイには、たくさんの種類がいますが、釣りの対象魚となるのは、「マコガレイ」と「イシガレイ」と呼ばれているものです。いずれも、波止や砂浜からの投げ釣りで狙います。11〜12月には、湾奥の浅場や港内まで接岸し、産卵に備えエサを荒食いします。そして、産卵後の3〜4月に再び浅場へと接岸し、体力回復のためにエサを活発に追うようになります。この時期に釣れるカレイを俗に、「花見カレイ」と呼んでいます。
投げ釣りで釣れるマコガレイは、大型でも40センチ程度ですが、イシガレイは50センチオーバーのサイズが釣れることもあります。いずれも、潮の流れが速い場所で大型が釣れる実績があるようです。カレイは、淡白で白身、とてもおいしい魚です。
方 言:
マコガレイ−アカガレイ・アマガレ・カシラクロ・ホソクチ・マコ
イシガレイ−イシモチガレ・エシガレイ・セエタ
釣れる時期:11月〜4月
波止でのポイント:港の航路筋など(海底が砂泥地であること)
エ サ:青イソメ・岩イソメ(マムシ)・ボケ
仕掛け:投げ釣り仕掛け
シロギス
スマートでパール色に輝く「シロギス」は、湾内のボート釣りや投げ釣りで狙います。全国には、この魚だけを専門に狙うキャスター(投げ釣り師)が多数存在し、また、競技会や大会も多く開催されていることから、シロギスに対する人気の高さというものがうかがえます。
上級者になると、5〜10本程度の針を使った投げ釣り仕掛けで、数珠なりに魚を掛けている人もいます。ちなみに、30センチを超えるサイズは「ヒジタタキ」とも呼ばれています。
方 言:キスゴ・アカギス・カワギス
釣れる時期:5月〜10月
波止でのポイント:港の航路筋など(海底が砂泥地であること)
エ サ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ
仕掛け:投げ釣り
ベラ
標準和名は「キュウセン」。日中、照り込むほどによく釣れる、真夏の対象魚です。海底が見えているような非常に浅い場所でも、岩や捨て石、藻さえあれば、まず釣れます。また、夜になると、砂の中にもぐって寝るという、非常に健康的?な魚です。
同じベラでも、明るい青緑色をした「青ベラ」と呼ばれるものがオスで、クリーム色の体色に、黒い1本線が描かれているものがメス、こちらは「赤ベラ」と呼ばれています。口が小さく、すぐにエサをかじり取られるので、小さな針に短く切ったエサを刺すことがコツです。
方 言:アオアクジ・スナベロ・モイオ・モバミ・ヨネズ
釣れる時期:5月〜10月
波止でのポイント:海底が砂泥地で、岩や藻が点在しているところ
エ サ:石ゴカイ(ジャリメ)・青イソメ・シラサエビ
仕掛け:探り釣り・投げ釣り
アオリイカ
アオリイカは、イカの種類の中でも美味で人気が高く、大きなものでは3kg以上にもなります。「餌木」(エギ)と呼ばれるイカ釣り専用の純和製ルアーを使った釣り方と、活きたアジやイワシを使ったウキ釣り・ブッコミ釣りで狙うのが主流です。
イカが掛かれば、道糸を緩めずに一定のスピードでリールを巻くことがコツです。強引に巻いてしまうと、身切れして逃がす確率が高くなります。また、取り込む際には、スミを吐き出すので要注意。衣服に着いてしまったら、まず取れませんのでくれぐれもご用心を。日没後の2〜3時間が好時合い(狙い目)でしょう。
方 言:ミズイカ・モイカ
釣れる時期:4月〜6月(産卵期のため大型が狙える)と9月〜11月
波止でのポイント:水深があり、潮通しがよく、海底に岩や藻が点在しているところ
エ サ:アジ・イワシ
仕掛け:ウキ釣り・ブッコミ釣り・餌木釣り
タコ
夏が近づき水温が上昇してくると、タコの季節が到来します。波止で釣れるタコは、頭の大きさが握りこぶし程度のものです。タコは、波止際で、エサとなるカニや貝類を盛んにあさっているようです。
タコ釣りのタックルは、1.5〜2メートル程度のルアー竿に、小型の両軸受けリールもしくはスピニングリールを使い、道糸の先に写真の「タコジク」を結ぶだけの簡単な仕掛けです。波止際の底で、タコジクを躍らせていると、やがてズシッとした重みが伝わってきますので、糸を緩めないよう、一気に高速でリールを巻き上げて下さい。「よしっ。タコジグにのった!」と思い、期待しながらリールを巻き上げると、たまに、雑巾やビニール袋が掛かっていて、ガッカリすることもあります(参考までに・・・)。
方 言:マダコ
釣れる時期:6月〜8月
波止でのポイント:波止際の底付近
エ サ:タコジクやカニなど
仕掛け:タコジグを使用
難易度:釣りやすい