ガシラ(カサゴ)釣り講座 第4章
穴釣りでガシラを狙う
ガシラ・カサゴの穴釣りの具体的な釣り方を紹介します。短竿と小型両軸受けリールを使った、この釣り方で使用する仕掛けは、いたってシンプル。このシンプルな仕掛けで手返しよく数を釣ることが、穴釣りの醍醐味なのです。それでは釣り方を見ていきましょう。右の写真の大きいほうがアブラメです。
よい穴を見立てる 穴釣りとは、テトラとテトラの隙間を狙っての釣り方。狭くて根掛かりしそうな穴や、少しでも水深のある穴を見つけることが、釣果の鍵を握っています。また、垂直に切り立ったケーソン波止とテトラとの隙間などは、比較的水深もあり、よいポイントとなっているようです。
穴に仕掛けを落とし込む ここぞという穴を発見したら、エサを付け、リールをフリーにして、仕掛けを穴の中へスルスルと落とし込んでいきます。何度も言うようですが、小型両軸受けリールの操作はくれぐれも慎重に。
そしてオモリが海底に着いたのを確認し、道糸を張ってアタリを待ちます。ガシラがいればすぐに食いついてくるので、大きな誘いは不要。根掛かりの原因となるので、仕掛けを上下させるといった動作は、あまりお勧めできません。
すばやい巻き上げと取り込みが肝心 ガシラが掛かると、手元に「コンコン」や「ゴツゴツ」といったアタリが伝わってきます。 アタリがあればすばやく竿を立て、根に潜られないよう、一気にリールを巻いて魚を取り込みます。 ただ非常に活性の高い場合は、フォーリング中(エサを落とし込んでいく最中)に捕食するため、アタリが手元に伝わらない場合があるので、注意が必要です。ガシラは細いハリスでないと食い渋るメバルとは違い、太いハリスでも食いにはあまり影響ありません。 大型が想定されるポイントでは、太いハリス(2号前後)を使って、強引に取り込んだ方がよいでしょう。
釣れた穴では粘るが勝ち ガシラが1匹でも釣れたらしめたもの。その穴には数匹のガシラが潜んでいるはずです。このような穴では、シラサエビやオキアミなどのマキエを打って、しばらくは腰を据えて粘るようにしましょう。 なお、水深がある時(2ヒロ以上)のマキエには「底撒き器」の使用をお忘れなく。 私事ですが、以前、底撒き器でマキエをした途端に、連チャンで掛かったことがありました。
魚信の切れ目がポイントの切れ目 穴釣りでは迅速なポイントの見分け方が肝心。 アタリの気配がない穴はさっさと見切りをつけ、他の穴へと移動すること。 これは数を釣る上でも、大きな決め手となります。 ただ、穴釣りはテトラ上を転々と探り歩く釣りなので、足元には十分気をつけてください。
軽装備での釣りを心がける ポイント移動が頻繁におこる穴釣りでは、道具類をできるだけコンパクトにまとめること。移動時に持参するものとして(竿にリールは当たり前ですが)、ウエストバッグとエビ活かしバケツだけでオーケー。それ以外のものは、車の中や堤防上に置いておくようにしましょう(もちろん貴重品は身につけて)。
ウエストバッグには、ハリやオモリなどの仕掛け類を入れて身につけておきます。またウエストバッグに限らず、ベストのポケットに仕掛け類が収納できれば、ウエストバッグは必要ないので、さらに実用的といえます。 エビ活かしバケツについては、できるだけ小型のものがよいでしょう。 テトラの上はほとんどの場合、平らではありませんので、「エビ活かしクーラー」などを持っていくと置く場所に大変困ります。
小物類はテトラの隙間に落さないよう、くれぐれも気をつけてください。 穴釣りは下を向いて釣ることが多いので、野村監督のような、高価なメガネをかけているお父さん方なんかは、特に要注意といえます。 ちなみに僕の友人は先日、買いたての携帯をテトラの穴に落してしまい、「もう二度とお前とは釣りに行けへん」と泣きわめいていました。
穴釣りの危険に関する知識について
穴釣りでは、足場の確認と気象の変化に十分気をつけて行動してください。ポイントを転々と移動していくうち、ついつい釣りに夢中となり、気付かないうちに「不安定なテトラ部分に乗り込んでいる」といったことがあります。それと、波で濡れたテトラポットも滑りやすくて危険。波打ち際のテトラへは近づかないようにしましょう。
さらに、海が荒れている日の穴釣りは大変危険。テトラポットは波止の外側、すなわち直接波を受ける部分に入っているケースがほとんど。風波が強いと波しぶきをモロにかぶることとなり、ひどい場合には、波にさらわれるといった事故にもなりかねません。 また、テトラでは突然の気象変化ですばやく逃げようにも、足場が悪いため迅速な対応がとれず、慌ててしまって隙間に転落といった危険性も出てきます。
穴釣りは、しっかりとした足場を確保してから、仕掛けを落としていくことが肝心です。 また、穴釣りだけに関わらず、気象変化の激しいこの時期の釣りの場合、特に初心者の方は、自然気象の恐ろしさを充分認識しておいてください。 「怪しいな」と感じたら、すぐに竿をたたむことが身を守る秘訣です。
スポンサードリンク