ガシラ(カサゴ)釣り講座 第6章
ガシラ・カサゴ釣りのまとめ
【狙うポイント】
ガシラは典型的な根魚。岩陰や岩穴などに身を潜めて、エサが近づいてくるのを待っています。
「火のない所に煙は立たぬ」ではありませんが、「根のないところにガシラはいません」。 エサを求めて動き回るといったことがあまりないので、鼻面までエサを運んで誘いをかけるといったことが、重要になってきます。波止でガシラを釣る場合には、以下のポイントを集中的に狙って探り歩きましょう(図解)。
波止の捨て石やテトラポット周り
捨て石やテトラ周りには、たくさんのガシラが居着いています。捨て石は、波止際(足元)から数メートル沖までの海底に、敷き詰められていることが多いようです。捨て石周りは、おもに探り釣り(1本針仕掛け)やワーミングで狙うようにします。テトラとテトラの隙間や、テトラとケーソンの隙間は、おもに穴釣りで狙うようにします。穴釣りでは、テトラの隙間にマキエを打って、ガシラをおびき出すといった作戦が効果的です。
波止の切れ目部分
波止の切れ目部分は海底付近で大きくえぐれ、ガシラなどの巣穴となっています。探り釣り(胴突き仕掛け)やワーミングで狙うようにします。
沖合いのシモリ
沖合いに沈んでいるシモリ(岩礁帯)付近は絶好の大型ポイント。相当な根掛かりが予測されることから、探り釣り(1本針仕掛け)で狙うと効果的です。
比較的水深の浅いゴロタ石の浜
浅場のゴロタ石付近にも、ガシラはたくさん居着いています。最近では、ワーミングの好ポイントとなっているようですが、探り釣り(1本針仕掛け)で狙ってみるのもよいでしょう。浅場とはいえ、以外な大型に出会う可能性もあります。注意点は、ゴロタ石の浜は滑りやすいので、足元に気をつけることです。
ガシラ釣りのワンポイントアドバイス
〜探り釣り〜
1.仕掛けは引きずらない
探り釣りに根掛かりは付き物。沖に投げ込んで探る場合、その確率はさらに高まるといえます。根掛かりを避けるには、仕掛けを引きずらないで、竿をしゃくるようにして探ることがコツ。また、軸が伸びて外れやすい「メバル針」などを使うのも、根掛かり対策の一つです。
2.ハリスの点検はこまめに
探り釣りに限らず、波止際、捨て石、テトラ周りを狙うガシラ釣りでは、ハリスが常に障害物にこすれた状態(根ズレといいます)にあります。ハリスは少しでも傷ついていれば、即交換が鉄則。この確認を怠ると、大型が掛かった場合に泣きを見ることになります。強度面を重視するならば、ハリスは少々太めの2号をお勧めします。
〜穴釣り〜
1.狭く、水深のある穴が絶好
水深があり、狭く閉ざされた穴は絶好のポイント。さらに上げ潮時は最大の狙い目となります。また、気配のある良い穴や1匹でも釣れた穴では、マキエを打って粘ることが肝心です。
2.エサもちがいい「身エサ」も使用
スーパーで売っている安価なサバや、サンマの切り身はエサもちがよく、ひとつのエサで数匹のガシラを釣ることも可能。冷凍保存も効くので、エサ代に困っている時にはお勧めです。
〜ワーミング〜
1.ジグヘッドには直結で
ラインをジグヘッドに連結する際、交換しやすいからといってスナップサルカンを用いると、極端に食いが悪くなります。ジグヘッドにはライン直結が原則。
2.春先は浅場が狙い目
春先の水温上昇時には、水深の浅いゴロタ浜などでもよくヒットします。ゴロタ浜では干潮時を中心に狙うようにしましょう。
ガシラ釣りの関西のおすすめスポット
それでは最後に、関西近郊のガシラ釣りスポットを紹介しましょう。 ガシラは冬から春先にかけて絶好のシーズン。
これからの時期は気候も良くなるので、行楽がてらにファミリーで楽しまれてはいかがでしょうか。できるだけ足場の良いポイントを紹介しておりますが、お子様連れの場合などは特に、安全対策を万全に。
大阪府 淡輪漁港
淡輪漁港の波止は、全体的に水深はないが魚影の濃いポイント。赤・白灯波止とも、外向きにはびっしりとテトラポットが積み上げられているので、穴釣りにも最適。両波止の沖合いには、いたるところにシモリが点在しているので、探り釣りで狙えば大型が期待できる。波止の根元付近は常夜灯が設置されていることから、ハネ、メバルにも好ポイント。また、番川尻は大型アイナメの実績が高い。昨年の秋口には、小型ながらアオリイカも好調(赤・白灯両波止の先端及びカーブ付近)。意外な穴場の発見に、今後も楽しみなポイント。
- 「アクセス」 電車の場合、南海本線・淡輪駅下車。海沿いを南へ徒歩約15分で漁港に到着。車の場合は、阪和道「泉南」出口を降り、国道26号線を南下。淡輪ヨットハーバーの交差点を右折し、淡輪駅方向へ。祗園橋手前の道を右折すると、漁港に到着。
- 「利用料」 無料
- 「駐車場料金」 1日1000円(漁港内にあり)
- 「付近のエサ屋(情報提供)」 山下釣具店 tel:0724−94−0234
- 「混雑度」 比較的空いている。
- 「設備」 漁港付近に自販機、食堂あり
- 「釣れる魚」 アジ・サバ(7〜12月)、カレイ・アブラメ(11〜5月)、キス・ベラ・ガッチョ(6〜9月)、ガシラ・メバル(12〜4月)、グレ(6〜7月と11〜1月)、タチウオ(10〜12月)、チヌ(4〜12月)、アオリイカ(9〜11月)など
- 「備考」 漁港付近の道路は大変狭く、駐車は厳禁。民家が多数隣接しているため、早朝は静かに行動すること。
大阪府 泉佐野一文字
泉佐野一文字は全長が約650mと短く、中央付近は「く」の字に曲がった形状。投げ釣りの実績ポイントとしても定評のある、有名な釣り場。沖向きは一段高くなっており(大人の胸の高さほど)、頭上には電線があるため、長竿を使う場合や投げ釣りをする場合には注意が必要。水深は内、外向きとも約2.5ヒロで、4〜5m沖からはかけ上がりとなっている。内・外向きとも、足元には沢山の捨て石が入っているため、根魚はとても濃い。ここでのお勧めは胴突きスタイルでの探り釣り。波止際を丹念に探れば数釣りが期待できる。特に赤灯付近、及びカーブ付近では、大型の実績が高いため釣り人は集中する。
- 「アクセス」 この釣り場へのアクセスは、車が便利。阪神高速湾岸線「泉佐野北」出口を降り、最初の信号を右折すれば港に出る。電車の場合は、南海本線「井原駅」下車。海へ向って徒歩約10分で港に到着。一文字へは「菊川渡船」(0724−62−8945)を利用。朝の一番船の時刻は、事前に電話確認をしておくこと。
- 「利用料」 渡船代1500円
- 「駐車場料金」 無料
- 「付近のエサ屋(情報提供)」 まるは釣具 泉佐野店(0724−64−0841)
- 「混雑度」 9〜11月は混雑が予想される。
- 「設備」 食品コンビナート付近にトイレ、食堂、自販機あり
- 「釣れる魚」 ガシラ・メバル・ハネ(12〜5月)、チヌ(4〜12月)、アコウ(6〜8月)、タコ(6〜8月)、アジ(7〜12月)、タチウオ(10〜12月)、カレイ・アブラメ(11〜5月)、キス・ベラ(6〜9月)など
- 「備考」 頭上には電線があるため、キャスティング時には注意が必要。渡船乗船時には救命具着用のこと。
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