ガシラ(カサゴ)釣り講座 第5章
ワーミングとは?
最近の釣りで最も対象者が多く、爆発的な人気ジャンルといえば、なんといっても「ルアーフィッシング」です。近頃はその中でも、海でのルアー釣り=「ソルトウォーターフィッシング」が、若者を中心に大流行となっています。このソルトウォーター人口の増加に伴い、各釣具メーカーでは、「ソルトウォーター専用」といったタックルも多数開発し、販売するようになってきました。
昔は、堤防でルアーをキャストしている釣り人などは、ほとんど見かけられませんでした。ところが、今ではルアー竿をかついだ若者たちが、堤防のいたる所に存在しています。まさに、「時代変われば、釣り方変わる」といったところでしょうか。
さて、今回ご紹介する「ワーミング」とは、「ワーム」と呼ばれるソフトルアー(ゴムやプラスチックを素材として作られているルアー)を使っての釣り方です。ガシラは目の前に来た、動きのある獲物に対しては一気に襲いかかるという貪欲な魚。ワーミングは、まさにその習性をうまく利用した釣り方なのです。ワームを使った釣り方にもさまざまな種類がありますが、ここでは「ジグヘッド」と呼ばれる仕掛けを用いた釣り方を、紹介していきましょう。ちなみに、ルアーフィッシングでは「ストラクチャー」や「ボトム」など、やたらと横文字の用語が登場してきます。参考までに、基礎用語集を添付しておきますのでご覧ください。
持参するタックル(道具)の確認
<6〜8ft(1.8〜2.4m)のスピニングロッド> ワームを使った釣りでは、ライトアクション(軟調)〜ミディアム(中硬調)のバス用ルアーロッドを使います。グリップ(握り部分)はスピニングタイプ、ロッドの長さは6〜8ft(約1.8〜2.4m)のものがお勧めです。
<小型スピニングリール> 8〜10ポンド(約2〜2.5号)の道糸が50m程度巻けるもの。
<ジグヘッド> ジグヘッドとは、シンカーとフックが一体となったもの。ワームをセットしたものは、「ジグヘッドリグ」と呼ばれています。 ガシラ釣りでは、しっかりと底のとれる1/16〜1/8オンス(約1.8〜3.5g)のジグヘッドを使用します。魚へのアピール度が高い「アイヘッド」を使うと、より効果的。
<ワーム> ワームには色や形など、さまざまなタイプが存在します。ガシラ釣りでは各タイプとも、長さが1〜2inch(約3〜6cm)のもので、カラーはホワイト、レッド系を中心に使い分けるようにします。
<シャープナー> 日本語では「砥石」のこと。ルアーフィッシングでは、バイトがあれば鋭くアワセ、魚の口元に針掛かりさせないといけません。そのためにも、針先は、常に鋭敏に研いでおく必要があります。
<その他> ワームやシンカーなどを入れる小物ケース・タオル・ クーラー・ タモ ・ハサミ・プライヤー・ファーストエイドキットなども持参するようにしましょう。
ワームのタイプについて
ガシラ釣りでは主に、グラブ、チューブ、シャドテールと呼ばれるタイプのワームを使用します。それではこの3種類の特徴を、簡単に紹介していきましょう。
<グラブ> このワームはテール(尾)が大きくカールしたもの。海中では薄くのびたテール部分が、弱った小魚の様子をうまく演出してくれ、ガシラへのアピール度も抜群です。
<チューブ> 波止際やテトラ際などで、絶大な効果を発揮するスカート型ワーム。ユラユラと落下していく途中でヒットする事が多いため、軽めのジグヘッドを使うことがポイントとなります。
<シャドテール> 尾ビレが付いているこのワームは、ブルブルとした強いバイブレーション(振動)が最大の特徴。1〜3inchのサイズは、小エビや小魚の泳ぎをリアルに引き出してくれることから、ガシラも思わず飛びついてしまうことでしょう。
仕掛けの準備
1.ロッドを継ぎ、スピニングリールをセットします。
2.スピニングリールのベイルをおこし、ガイドにラインを通していきます。
3.ジグヘッドにラインを結びます。 (釣り糸の結び方講座はこちら)
4.ジグヘッドのフックにワームをセットします。
ワームのヘッドは、しっかりとシンカー部分に押し付けること。仕掛けの準備はたったこれだけ。仕掛け図のとおりになっているかご確認ください。なお、振り出しタイプのロッドでは、これらを前もってセットしてから車に搭載すれば、釣り場で即座に竿を出すことができます。
釣り方
ワームでの釣り方は、波止際や波止の切れ目、及びテトラや捨て石などの障害物付近を、丹念に探り歩いて行くようにします。
1.障害物付近にワームを落とし込んでいく
振り子の要領でロッドを操作し、ワームを狙ったポイントへと振り込みます(アンダーハンドキャスト)。
2.海底でワームを躍らせる
ジグヘッドが海底に着いたのを確認し、ワームが海底付近を跳ねるようなイメージでアクションをつける(穂先を30cm程「チョンチョン」と上下させる)。このアクションを繰り返すのですが、ワームは決して底を切らないこと。すなわち、中層に浮かさないことが、ガシラ釣りのポイントです。
3.アタリがあれば速アワセ
ワームを投入したポイントにガシラがいれば、すぐにバイトしてくるはず。ゴツンとした手応えが伝われば、すぐさまロッドをあおって、しっかりとフッキングさせましょう。水深の浅い場所ではサイトフィッシング(見釣り)により、ガシラがワームに飛びつく様子を見ることもできます。
4.積極果敢にあらゆるポイントを攻める
ひとつのポイントで、ワームを2〜3分程度躍らせてもバイトして来ないようであれば、すぐにポイントを移動しましょう。探り釣り、穴釣り、ワーム釣りと、これらの釣り方は、全てが「足で稼ぐ釣り」。積極果敢にポイントを攻めていくことが、釣果アップの秘訣となります。
スポンサードリンク